「いつか古書店の店主になるのが夢だった」と語るほど、無類の本好きとして知られる坂本龍一が2017年から準備を進めていた、自身の本を多くの人と共有するための図書構想「坂本図書」。昨年9月には、坂本龍一の所蔵していた本を読むことができる図書空間「坂本図書」が都内某所に開館しました。

今回、東京都現代美術館で12月21日(土)より開催される、展覧会「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」に先駆け、「坂本図書分室」では図書にまつわる展示を実施します。

 坂本龍一が晩年に愛した私物書籍の一部、実際に使用していた家具などの読書空間が再現されるほか、「坂本図書」に所蔵している書籍と同タイトルの古書・オリジナルグッズの販売を行います。「坂本図書」としての外部出展は今回が初めてとなります。坂本龍一がどのように本に向き合っていたのか。坂本自身の創作や思考の糧となった本の数々から、追体験いただく取り組みです。

 

企画:一般社団法人坂本図書

協力:Kab Inc.

 

<展覧会情報>

 

坂本龍一 | 音を視る 時を聴く

2024年1221日(土)- 2025330日(日)

 

東京都現代美術館では、202412月から音楽家・アーティスト、坂本龍一(1952-2023)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展を開催いたします。坂本は多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切り拓いてきました。2000年代以降は、さまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考/実践しました。今回の展覧会では、生前坂本が本展のために構想した新作と、これまでの代表作を美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開し、クロニクル展示を加えて、坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどります。

 

坂本龍一 (音楽家)

1952年、東京都生まれ。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「Yellow Magic Orchestra」結成に参加し、1983年の散開後も多方面で活躍。映画『戦場のメリークリスマス』(83年)の音楽では英国アカデミー賞、映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞、他を受賞。環境や平和問題への取り組みも多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を立ち上げるなど音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行った。1980年代から2000年代を通じて、多くの展覧会や大型メディア映像イベントに参画、2013年山口情報芸術センター(YCAM)アーティスティックディレクター、2014年札幌国際芸術祭ゲストディレクターを務める。2018piknic/ソウル、2021M WOODS/北京、2023 M WOODS/成都での大規模インスタレーション展示、また没後も最新のMR作品「KAGAMI」がニューヨーク、マンチェスター、ロンドン、他を巡回するなど、アート界への積極的な越境は今も続いている。2023328日、71歳で逝去。