
現在、世界では1億2千万人を超える人々が、紛争や迫害によって故郷を追われ、各地で避難生活を送っています。その多くは、ある日突然これまで築いた暮らしを失い、家族や愛する人々と引き離されながらも、それぞれの思い描く未来に向かって歩み続けています。そこには、1億2千万通りの旅路があります。
本企画では、日本を代表する写真家の一人であるホンマタカシが、バングラデシュ・コロンビア・日本の3カ国で暮らす難民や国内避難民の住まいを訪ねました。ときに対話を重ねながら、故郷を追われた人々の姿と、彼らが避難生活の中でも手放すことのなかった、故郷とのつながりを宿した「大切なもの」を通して、数字からは見えてこない難民一人ひとりの物語に光を当てた作品《SONGSーものが語る難民の声》を制作しました。本作は、瀬戸内国際芸術祭2025で同実行委員会・UNHCRの共催企画として発表されています。
TABFではこの作品とあわせて、「難民」や「平和」をテーマにセレクトされた書籍を基軸とする、UNHCR駐日事務所の書籍展示企画「難民のものがたり展」を展開します。本と写真を通じて、難民への関心や理解を深めるインスタレーションを構成します。
主催:UNHCR(国連難⺠⾼等弁務官事務所)
展⽰協⼒:Sigma
Image: ©︎ Takashi Homma