
1973年に設立されたイタリアの出版社Corrainiは、イラストレーション、デザイン、建築、写真、児童文学といった分野を横断する出版活動を展開してきました。その歴史の中でも、デザイナーのブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari)との関係は特に際立っており、数多くの重要な出版物を生み出しています。
ムナーリは、息子アルベルト(Alberto)の誕生をきっかけに歴史的なシリーズ〈Libri del ’45〉に取り組みました。型抜きや穴あけ、大胆でエレガントな挿絵が施された本シリーズは、紙の魔法を通じて読者を魅了し、発見と探求の遊びの世界へと誘います。全9冊は同一の判型ながらそれぞれ異なる物語を語り、ナラティブと造本の発明性が一体となった作品として知られています。初版から80周年を迎える2025年にあっても、革新性を失わぬ不朽の古典として評価され続けています。
本展は、ブックオブジェ、遊び、インタラクションといった、ムナーリが子どもの本で常に追求してきたコンセプトを出発点とし、来場者が物語の中に入り込む体験を提供します。『Toc-toc』から『Mai contenti』まで、本そのものやその一部を拡大して再現することで、大人も子どもも仕掛け扉をめくったり、動物やキャラクターが隠れている扉や窓を開いたりしながら、新たな物語を自由に想像することができます。
また、本展と併せてCorrainiの歩みを辿る展覧会も開催します。
協力:Corraini Edizioni



All images: Courtesy of Corraini Edizioni