東京を拠点とするファッションレーベルPUGMENTによるプロジェクト「Magnetic Dress」の展覧会を開催いたします。
PUGMENTはこれまで、ファッション広告を切り抜き、ビル広告に使用される工業素材に印刷して衣服を作る「Spring 2018」や、古着のミリタリーウェアを燃やした灰で作られた「IMAGE」など、 映像や写真、パフォーマンスといった様々な手法を用いて衣服と人・都市・ 社会との関係性を抽出しコレクションを制作、発表してきました。
「Magnetic Dress」は、PUGMENT設立当初より継続して制作されているプロジェクトです。
路上に落ちている衣服をiPhoneで撮影し、その写真を転写紙に印刷。同じ形の既製服の全面に転写紙を熱で接着することで落ちていた衣服を再現し、最後に、落ちていた地点に再び訪れMagnetic Dressを着用して撮影する。というプロセスで制作されます。
路上に落ちている衣服からは明白な情報を読み取ることが出来ません。意味や役割を失うことで、どこにも所属することの出来ない宙ぶらりんな存在として都市に出現します。そのような衣服は様々な物が特定の意味や記号に支配されてしまっている現代においての特異な存在であり、意味や役割を持たない存在であるが故に、私たちに様々な物語や風景を想起させます。
本展では、PUGMENTがこれまで5年間にわたり継続して撮影してきた落ちている衣服の写真から銀座で撮影された写真を中心に展示いたします。
また、本展に合わせプロジェクト「Magnetic Dress」をまとめたアートブックをリリースいたします。
書籍情報『Magnetic Dress』
作者:PUGMENT
サイズ:182 x 257 mm
価格:3,200円(税別)
企画/書籍流通:PUGMENT
PUGMENT / ファッションレーベル
2014 年に設立。衣服が人間の営みにおいて価値や意味が変容し ていくプロセスを観察し、衣服の制作工程に組み込む。ファッションにまつわるイメージと人との関係性 に着目し、既にある価値・環境・情報について別の視点を持つための衣服を発表する。 主な発表として「Spring 2019」(KAYOKOYUKI、東京、2018)、「1XXX‒2018‒2XXX」(KAYOKOYUKI / Utrecht / n id a deux、東京、2018)、など。2017 年 6 月に共同運営するアーティストランスペースにてファッションショーを行い、2018 年春夏コレクションを発表。同年 10 月にはオランダ「Unseen Amsterdam」にて 写真家の小林健太と協働しパフォーマンスを行った。