毎回、ひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する企画「Guest Country」では、これまでにスイス、ブラジル、アジア(中国、韓国、台湾、シンガポール)を特集しました。10 年目を迎える本年は、世界のインディペンデント出版文化を牽引するアメリカをフィーチャー。2つの展覧会とトークでアメリカのアート出版の独創性に迫ります。
The Thing Quarterly は、サンフランシスコにて2007年から10年間にわたり、年4回、計34号刊行された雑誌です。本企画のユニークな側面のひとつとして、雑誌でありながらも決まったフォーマットの紙媒体で表現するのではなく、アーティストとともに日常の中で芸術の大切さを物語るオブジェクトを制作していた点が挙げられます。ミランダ・ジュライによるシャワーカーテン、ガブリエル・オロスコによるフリスビー、ライアン・ガンダーによるトランプ、タウバ・アウエルバッハの時計など、毎号異なるアーティストが手がけたオブジェクトなど、アメリカのアートシーンで活躍する現代作家による作品を「雑誌」というフォーマットで量産し、多くの人々が気軽に生活の中でアートに触れ、体験できる機会を創出しました。「10 Years of The Thing Quarterly」では、アメリカの現代アートおよび出版シーンの中で異彩を放ち、愛された雑誌の10年間の活動を紹介いたします。
Issue 1:Miranda July
Issue 2:Anne Walsh
Issue 3 : Kota Ezawa
Issue 3.5: Tucker Nichols
Issue 5 : Lucy Pullen
Issue 6:Allora & Calzadilla
Issue 7:Jonathan Lethem
Issue 8:Trevor Paglen
Issue 9:Ryan Gander & Europa
Issue 10: Starlee Kine
Issue 11 : Chris Johanson
Issue 12 : Doo.Ri
Issue 13 : Matthew Higgs & Martin Creed
Issue 14:James Franco
Issue 15 : Macfadden & Thorpe
Issue 16:Dave Eggers
Issue 17 : Shannon Ebner
Issue 18:Mike Mills
Issue 19:David Shrigley
Issue 20:Tauba Auerbach
Issue 21 : Ben Marcus
Issue 22:John Baldessari
Issue 23:David Korty
Issue 24:Rodarte
Issue 25 : Brian Roettinger
Issue 26:Gabriel Orozco
Issue 27 : Michelle Grabner
Issue 28:Jason Fulford & Tamara Shopsin
Issue 29:Ricky Swallow
Issue 30 : Raimundas Malašauskas
Issue 31: Ken Kagami
Issue 32:Experimental Jetset
Issue 33:Amanda Ross
「Guest Country」のもうひとつの展示、「Radical Pages: A Selection of American Zines」の情報はこちら。