優れた慧眼を持つことで知られるイヴォン・ランベール(1936年生まれ)は、1967年よりギャラリーを構え、現代においてもフランスの現代美術界を牽引し続けています。著名なアートコレクターでもあるランベールは、2000年にアヴィニョンにてプライベートコレクションを一般公開し、2012年にそのすべてのコレクションをフランス政府に寄贈しました。1974年のピカソ以来、最も重要な美術品の寄贈と言われています。2014年、20世紀と21世紀初頭を代表するアーティストたちの展覧会を50年間にわたり開催し続けたギャラリーを閉廊。その後、彼が愛するパリ3区にブックストア、展示スペース、出版社を併設したより親密なスペースをオープンしました。

 

ランベールは、キャリア初期からアート出版の重要性を理解し、1970年代にローレンス・ウィナーやソル・ルウィットによるアーティストブックを制作したほか、ルイス・ブルジョワ、河原温、クリスチャン・ボルタンスキー、ジュゼッペ・ペノーネを始めとするアーティストとの密なコラボレーションを通して限定版「bibliophilie」をリリースしています。現在の出版プログラムは、主に詩集、写真集、プリントなどで構成されています。TABFでは、Yvon Lambertのこれまでと現在の活動を通して、フランスのアートブックシーンの歴史とその進化をご紹介します。