トーマス・コン(1950-2023年)は、北朝鮮に生まれ、アメリカ・シカゴを拠点に活動したアーティストであり、コンビニエンスストアオーナーでした。

 コンがシカゴ郊外で営んでいた小さなコンビニエンスストア「KIM’S CORNER FOOD」の店内を飾り付けるため、60歳を過ぎてから作り始めた小さなコラージュ。お菓子や煙草の空き箱、包み紙、新聞や雑誌の切り抜き、ビニール袋、不要になったダンボールなど、身近にあるものを使ったコラージュは、いつしか店内を埋め尽くし、お店そのものをアート作品に、そして彼をアーティストに変えました。

 本展では、彼が遺した膨大な作品群の一部と、一点もののアートブック、惜しまれつつ閉店した「KIM’S CORNER FOOD」のアーカイブ資料を展示いたします。コンは、今年5月に亡くなる直前まで、自身の店に立ち続けました。彼がレジカウンターで作り続けた作品からは、「Be Happy」のキャッチフレーズとともに、純粋でポジティブなメッセージを受け取っていただけるでしょう。

 

協力:062