1990年に4人の兄弟が私財を投じて設立し、2014年に惜しくも閉館した清里現代美術館は、ヨーゼフ・ボイス、アーノルフ・ライナー、フルクサスを柱に現代美術作品を集めた個人美術館でした。次男の伊藤修吾が同館の館長を務め、中学校の美術の先生であった三男信吾はコレクション蒐集、展示のディレクションを担当し、長男修身、四男勝朗は資金的に運営をサポートしていたといわれています。

 彼らの残した美術書籍、資料、エフェメラをアーカイブ化するため、2022年9月から清里現代美術館の膨大な美術書籍・資料をまとめ、出版するプロジェクト「清里現代美術館アーカイブブック プロジェクト」がスタートしました。2023年5月に刊行した第1巻『Ephemera(エフェメラ)』に続き、第2巻『Fluxus(フルクサス)』、第3巻『Joseph Beuys(ヨーゼフ・ボイス)』を今後刊行予定です。

 本展では、清里現代美術館旧蔵のコレクションの一部を展示し、同館のプライベートな蒐集を通じた斬新な感覚・感性・問いかけに触れていただける機会を創出します。