Illustration: Hyuga Watanabe
北欧5カ国のアートブックシーンを牽引する5名のキーパーソンたちが、コンテンポラリーなアートブックやZINE(約40〜50タイトル)と、自国の出版文化に影響を与えた重要な書籍をセレクトした4日間限りのブックストアがTABFに登場します。ノルウェーからは、自身が立ち上げたファッションリサーチ国際図書館のディレクターを務めるエリス・バイ・オルセン、スウェーデンからは2018年からマルメという都市でアートブックビエンナーレを開催する「Malmö Artist’s Books Biennial」のチームが参加。そしてフィンランド、デンマーク、アイスランドのキュレーターは、各国の首都を拠点に自身のアーティスト活動を行いながら、アートブックフェアや本に関わるイベントを積極的に行う、西田ひかり、ヨハン・ローゼンムンテ、シグルドゥル・アトリ・シグルドソンが務めます。まだ知らない表現や才能とのたくさんの出会いがあり、北欧のアートブックシーンのこれまでといまに触れる機会を創出します。
【キュレーター】
ノルウェー
エリス・バイ・オルセン / Elise By Olsen(来日予定)
1999年生まれ。若干13歳にして創刊したカルチャー誌『Recens Paper』が、テート・モダン、ドーバー ストリート マーケット、10 Corso Como、パレ・ド・トーキョー、コレット、蔦屋書店などに並び話題を集め、2017年に18歳になるまで同誌の編集を手がけた。2018年にファッション業界で批評的な対話を生み出すことを目的に掲げる雑誌『Wallet』を立ち上げ、2020年にはファッションリサーチ国際図書館を創設し、現在はそのディレクターを務める。
スウェーデン
「MABB – Malmö Artist’s Books Biennial」
MABB は、本という形態の構造的・概念201的な特性にインスパイアされたアート作品のためのプラットフォームである。2018年にスウェーデン南西部に位置する都市、マルメでスタートした。2022年には、北欧諸国、ポーランド、英国、アイルランド、フランス、ドイツ、オランダ、日本、イタリア、アメリカなどから約30組の出展者が出展した。次回は、2024年5月に開催予定。
フィンランド
西田ひかり / Hikari Nishida(来日予定)
フランスで生まれ育ち、現在はヘルシンキを拠点に活動するアーティスト。2021年、フィンランドのインディペンデント出版社や国内外の作家、デザイナーによるアートブックやZINEなどの印刷物の流通に焦点を当てたプロジェクト「The Temporary Bookshelf」を立ち上げる。本にまつわるイベントを企画するほか、フィンランドのアート施設やフェスティバルのために本のセレクションも行っている。
デンマーク
ヨハン・ローゼンムンテ / Johan Rosenmunthe(来日予定)
1982年生まれ。コペンハーゲン在住。アーティストブックから彫刻的インスタレーション、パフォーマンスまでと、幅広い表現で知られるアーティスト。キュレーションや出版活動を行う「Lodret Vandret」、展覧会スペース「New Shelter Plan」を主宰するほか、アートブック・フェスティバル「One Thousand Books」の創設者でもある。展覧会やシンポジウム、出版の企画やキュレーションを数多く手がける北欧のアーティストブック界の中心人物。
アイスランド
シグルドゥル・アトリ・シグルドソン / SIgurður Atli Sigurðsson (来日予定)
レイキャビクで活動するビジュアルアーティスト。社会構造を形成する要素をもとにした作品を制作しており、それらの多くは印刷物として発表されている。2015年、制作や出版などを行う「Print & Friends」を設立し、出版に関する専門家として国内外で展覧会の企画や講演を行っている。また、1970年代のガソリンスタンドを改装したYギャラリーや「レイキャビック・アートブックフェア」を運営している。
<関連イベント>
TALK EVENT「Nordic Art Book Store キュレーターズトーク」
日時:11月25日(土)17:00ー18:30 (受付開始 16:45)
場所:講堂
来日予定の4名のキュレーターたちによるプレゼンテーション及びパネルディスカッションを行います。