イギリスを拠点とするデザインユニット「OK-RM」と、アメリカ人フォトグラファー、ダニエル・シェア(Daniel Shea)によるコラボレーションプロジェクト『Ex Nihilo』の展覧会を開催いたします。
『Ex Nihilo』とは、「Out of Nothing(何もない)」を意味するラテン語です。イギリスのファッションブランド、1017-ALYX-9SMから依頼を受けて
スタートした本企画は、革新的な制作プロセスと多様性のあるアウトプットを徹底的に追求し、さまざまなモノが、「何もない」ところから現れているかのように見える謎を解き明かすフィクションとして制作されています。
シェアは、1017-ALYX-9SMが作る服の原材料である天然素材が、どのようにして構造を生み出していくかを写真に納め、OK-RMは、自身が手がける出版社、InOtherWordsから本プロジェクトをまとめた本を刊行。オフセットとリソグラフを用いており、紙の上で二つの印刷技術が重なり合うことで有
機的にイメージが生成され、フォルダーの中に冊子と6枚のポスターが同梱されたデザインは、本というフォーマットを使ったインスタレーションのように
仕上がっています。
2019年1月に開かれたパリでのメンズ・カプセルコレクションでは、スタイリングの一部としてモデルたちが同書を手に歩きました。
本展では、『Ex Nihilo』に収録された写真、スペシャルエディションのほか、シェアの映像作品も展示いたします。また、InOtherWordsのこれまでの
刊行物を集めたリーディングルームを展開いたします。
書籍情報『EX NIHILO』
作者:Daniel Shea & OK-RM
サイズ:230 x 298 mm
1,000部限定発行
ISBN 978-1-9160024-0-1
販売価格:8,800円(税別)
企画/書籍流通:twelvebooks
OK-RM / デザインユニット
2013年にオリバー・ナイトとロリー・マクグラスにより結成、現在ロンドンを拠点として活動。アーティストやキュレーター、エディター、建築家、デザイナー、公共機関や団体などと継続的なパートナーシップを持つ。2015年に出版プロジェクト「InOtherWords」を開始、以降アーティストや文化的に活躍する面々とコラボレーションを行い作品集を刊行する。また、イタリアのウルビーノ大学(ISIA Urbino)では「Design for Exhibition Spaces」コースを運営しながら教授を務め、他にも数々の国際的なデザインカンファレンスでも講演を行っている。世界各国で作品が展覧されており、2018年に出展したブルノ国際グラフィック・デザイン・ビエンナーレではグランプリを受賞している。
ダニエル・シェア / 写真家
1985年生まれ。2007年メリーランド芸術大学を卒業後、2013年イリノイ大学シカゴ校で美術学修士号取得。現在ニューヨークを拠点に活動する。2018年に世界で活躍する35歳以下の現代写真家から年に一度選出される「Foam Paul Huf Award」(Foam写真美術館主催)を受賞、同美術館で展覧会を行う。最近の個展はWebber Gallery(ロンドン)、Andrew Rafacz(シカゴ)、Approche(パリ)で開催されている。